令和5年度表彰業務速報

地震時の下水道管路被災率分析業務
国土技術政策総合研究所 下水道研究部

本業務は、東日本大震災で被災した下水道管路情報を収集整理し、過年度に整理した下水道管路地震被害データベースを用いて下水道管路の条件別被災率を整理するものである。情報収集対象は管理延長や被災率、下水道台帳電子化状況から3自治体を選定し、地震情報や下水道台帳情報、地盤条件(微地形区分、治水地形分類)について情報整理を行い、気象庁発表震度および処理区別の布設年度別、下水道台帳情報別、地盤条件別の被災率を算出した。さらに、本業務で整理した東日本大震災の被災率データ、ならびに過年度業務で整理した熊本地震および北海道胆振東部地震の被災率データを用いて、下水道台帳情報、地盤条件の項目別の被災率データを集計を行い、被災率集計結果から従来は液状化被災の可能性が低い微地形区分である谷底低地、ローム台地での被災率が高いことが明らかになったため、情報整理項目と掛け合わせた被災率を算出した。その結果から、被災しやすい下水道管路施設条件の考察、被災率に対する影響分析を行い、被災率が最も高くなる条件を分析した。また、地震被害予測推定システムについては、最新の下水道統計データへの更新、震度の入力に関する改良を行った。