本業務では、一般国道８号敦賀防災の田結地区周辺に生息する希少猛禽類のクマタカ・サシバ・ミサゴを対象に令和４年繁殖期のモニタリング調査を定点観察中心に行った。その結果クマタカの繁殖は確認出来なかったが、近年未繁殖が継続しているため未繁殖要因を検討し、食物量の自然要因が影響していると推測を行った。サシバは３つがいで繁殖成功を確認し、２つがいでは営巣地の移動が認められたため、行動圏の解析を行って事業による影響を再評価した。ミサゴは２つがいの繁殖成功と１つがいの新たな定着を確認し、計画路線に近接するつがいを対象にレーザー計測機能を有する双眼鏡で３次元計測を行って道路供用後に餌運搬への影響が生じるか検証し、概ね影響が生じないことを確認した。また、営巣地近くにＩＣレコーダーを設置してミサゴの繁殖ステージを解明した。本業務で５営巣期目のモニタリング調査となることから、過年度を含めた営巣地カルテを作成し、巣の基本情報の他、経年の繁殖履歴・今繁殖期の確認履歴・人為的活動等を巣毎にまとめた。以上の検討結果を踏まえ、工事作業着手した時点で留意すべき課題や次年度の調査計画をとりまとめ、申し送りを行った。