令和元年度表彰業務速報

平成30年度多摩川魚類遡上等調査業務
関東地方整備局 京浜河川事務所

多摩川の河川改修の基礎資料とすることを目的に、魚類の遡上環境等について調査を行った。現地調査では、現地踏査を通じて施設毎の危険要因の抽出と安全対策を設定し、調査にあたっては安全監視員の配置とウェアラブルカメラを用いた監視体制による安全対策を実施した。遡上調査は、二ヶ領上河原堰、JR中央線護床工、多摩大橋付近、JR八高線護床工、羽村第三床固の5施設で実施し、帯工が連続する多摩大橋付近では、各帯工の通水状況、水面落差、越流状況等の確認により帯工区間の遡上への影響を把握した。堰直下への迷入の問題がある上河原堰では、遡上・降下調査と堰下流の滞留調査等を通じて、副落差工設置による迷入防止効果と課題を把握した。調査結果は過年度のデータも活用して、各施設の確認種数及び個体数とアユ遡上や優占種の経年変化、重点対象魚種の分布と縦断的連続性の確保状況等を分析・考察した。これらを基に、多摩川全体の魚道整備効果の評価をとりまとめるとともに、個別の魚道の遡上に係る課題を抽出し、簡易的な改善方策の検討を行った。また「多摩川魚道管理ガイドライン(案)」に基づく魚道点検結果を整理し、魚道管理連絡会の運営補助を行った。