令和元年度表彰業務速報

桂川嵐山地区景観分析業務
近畿地方整備局 淀川河川事務所

桂川嵐山地区が文化財保護法上の「史跡」「名勝」に指定されていることを踏まえて、現状の文化財的な価値とそれを保全する上での留意点を分析し、嵐山地区にふさわしい河川景観の目指すべき方向性とそれを実現するための整備方針を立案したうえで、溢水対策施設(可動式特殊堤)の具体的な意匠デザイン検討を行った。文化財的価値の保全についての留意点は、「史跡及び名勝嵐山保存管理計画」の記載事項との整合を図りつつ、京都府・京都市の文化財担当者等に確認して頂きながら分析を進めた。デザインコンセプトや整備イメージ等を施工段階や維持管理段階の担当者に齟齬なく引き継いでいくことを目的に、河川景観の目指すべき方向性と整備方針の設定結果をハンドブックとして分かりやすく整理した。意匠デザイン検討では、天端面・立面・手すり・舗装の構成要素毎に素材やデザインを検討し、それを反映したフォトモンタージュやCIMモデル、実物大模型を多様な学識者が参加する検討委員会や地元検討会で提示して助言・意見を頂きながら検討を進めた。本業務成果をもとに、史跡名勝天然記念物現状変更協議書(文化庁)と美観風致審議会提出資料(京都市)を作成した。