令和3年度表彰業務速報

R1江戸川流頭部低水分派調査検討業務
関東地方整備局 江戸川河川事務所

本業務は、低水時における江戸川への分派量を確保するため、土木学会選奨土木遺産の重要構造物である関宿水閘門を対象として、詳細調査及び健全度評価を実施するとともに、低水分派対策の検討、対策工詳細設計を行うことを目的とした。閘門施設の調査は、基本調査にて既存図面を整理した後に、詳細調査として、ひび割れ調査、ボーリングコアによる床版厚・護床工厚確認調査、カメラを用いた空洞調査、コンクリート強度調査、鉄筋探査及び簡易貫入試験を実施し、健全度を評価した。また、目視点検結果及び既設閘門(床版、堰柱、取付擁壁、ケーソン基礎)の安定構造計算結果により健全度評価を実施した。低水分派対策の検討では、閘門の護床工及び床版を切り下げる対策を採用し、既設の低水護岸、閘門床版及びマイターゲートへの影響を考慮した対策工を検討した。また、対策工施工後に低水分派量を調整する対策を検討した。低水分派対策後の健全度評価を実施し安全性を確認した後に、決定した対策工の詳細設計を実施し、施工計画・仮設計画の検討、設計図面・数量計算書を作成した。また、施工後の低水流量把握を目的として、低水分派量のモニタリング方法を検討した。