令和6年度表彰業務速報
鳴鹿大堰耐震補強設計業務
近畿地方整備局 福井河川国道事務所
九頭竜川29.4k付近に位置する鳴鹿大堰の端堰柱(P2、P6)について、レベル2地震動に対する耐震性能照査と耐震補強詳細設計を行った。また中間堰柱(P3、P4、P5)について、耐震補強後の性能照査を行った。耐震性能照査は「河川構造物の耐震性能照査指針」に準拠し、地震後に堰の機能を維持するための照査内容と判断基準、許容値を明確にした上で、各部位の変位量やひずみが許容値以下であることを確認した。構造解析は、堰柱を梁でモデル化したフレームモデルで補強方法を検討した後、三次元FEMモデルによる動的解析で補強後の照査を行った。端堰柱の耐震補強は、ゲート下流側の鋼板+中間貫通鋼材による補強とRC増厚、ゲート上流側の階段室軽量化とRC増厚、さらにPHb工法によるせん断補強を行うものとした。門柱部は、曲げ補強鉄筋とせん断補強鉄筋および炭素繊維シートで補強するものとした。構造解析や対策案は、国総研・土研の意見を伺って妥当性を確認した。施工計画では堰を運用しながら工事を行うものとし、堰上流側の仮締切は鋼製函体を用いるとともに、水上部は張出し足場を設けて融雪出水までにゲートの開閉を可能とする工程計画とした。