本業務は、那賀川における気候変動を考慮した河川整備基本方針の変更及び次期河川整備計画の検討、河川整備基本方針検討小委員会の審議に諮る資料作成等を行ったものである。基本方針の検討では、本省協議等を踏まえて過年度検討の基本高水のピーク流量や計画高水流量を精査し、計画降雨や流出モデル、洪水調節計画等に関する技術的根拠をとりまとめた。また、河川環境・河川利用に関する現状と課題を取りまとめた上で、既往調査成果や河川環境管理シート等に基づき、河川環境保全の目標や環境配慮方策等を検討した。次期整備計画の検討では、気候変動を考慮し現行整備計画以上の目標流量を設定し、既存ダムの最大限活用を図る治水機能増強検討調査、小見野々ダム再生や新規施設の洪水調節検討、計画段階評価の検討を行い、整備内容と河道配分流量の有力案を設定した。また、整備計画完了までの段階整備方針として、河道の整備順序や長安口ダム操作ルールの比較検討、氾濫解析による水害リスクの評価を実施した。その他、小見野々ダム再生後の気候変動を考慮した設計洪水流量の検討、小見野々ダムと長安口ダムの予備放流による貯水位低下の検証を実施した。