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技術トピックス

第17回 ITS世界会議釜山2010 論文賞を受賞しました

 当社の佐藤章博は、平成21年4月より国土交通省国土技術政策総合研究所ITS研究室に出向し、交流研究員としてITSによる渋滞緩和方策に関する研究を行っております。
 その研究成果を第17回ITS世界会議釜山2010にて発表し、Outstanding Paper Award(論文賞)を受賞しました。

◆第17回 ITS世界会議釜山 2010◆
開催日:平成22年10月25日(月)~29日(金)
主催:大韓民国 国土海洋部

論文タイトル

「Proving Test to Develop a Practical Service to Optimize Lane Utilization Rates at Sag Sections of Expressways
(高速道路のサグ部における車線利用率適正化サービスの実用化に向けた実証実験)」

金澤文彦、坂井康一、佐藤章博

賞状

論文要旨

 我が国の都市間高速における渋滞はサグ部、トンネル部での発生が約半数を占めており、低炭素社会実現のためにも、効果的な渋滞対策の実施が急がれる。
 サグ部については、交通現象特性の分析により、渋滞発生前の重交通状況下でのサグの底付近の「追越車線への車線変更の増加」が渋滞を招いていることが解明されており、今回発表した論文は、これを受け、一般的なボトルネック地点での「車線利用率の適正化」を目指し、「ドライバーに対する走行車線へ車線変更を促す情報提供サービス」についてまとめたものである。

 立案したサービスを公道で実施するに先立ち、平成20年度までに、ドライビングシミュレータを用いて、被験者に対して情報提供を試行する実験を行った。実験の結果、ITS車載器を通じたナビ画面による情報提供では、情報提供による車線変更行動や車線維持行動がみられ、情報提供による効果が確認できた。LED表示板による情報提供についても、ITS車載器ほど大きな効果は得られなかったが、情報提供による車線維持行動が確認でき、車線利用率適正化の効果が得られることが示唆された。なお、ネガティブチェックを行ったが、両手法とも被験者の危険な行動はみられなかった。
 
 以上の検討を踏まえ、平成21年度にはサービスの実用化に向け、東名高速道路下り線大和サグ部においてサービスに必要な機器の設置、システムの構築を行い、情報提供を試行する実証実験を行った。今後、広報活動により当サービスの趣旨が一般のドライバーに伝われば、大きな効果が得られる可能性がある