－自然と歴史に配慮した被災地の風景づくり－

東京建設コンサルタントは、本社に東日本大震災復興支援対策本部を設け、岩手県大槌町には大槌復興現地事務所を設置して、復旧・復興への対応に取り組んでいる。

河川・海岸分野では、津波シミュレーション技術による再現計算や浸水予想およびそれを基にした避難計画の立案、堤防・水門・樋門等の計画・設計に携わり、道路・橋梁分野では復旧工事に伴う計画・設計業務等を担当してきた。また、都市・地域計画分野では、国土交通省都市局の業務を契機として、岩手県大槌町の復興まちづくり業務を平成24年度に大槌町から受託し、土地区画整理事業、防災集団移転事業、道路事業、下水道事業、砂防事業など町全体の復興事業を総合的に取り組んでいる。

大槌町では、碇川町長の方針の下、住民参加型の復興まちづくりに取り組んできた。また、都市局調査から関わっていただいた東京大学の中井祐教授の指導を仰ぎ、津波防災に対応した避難路計画、少子高齢化に対応したコンパクトなまちづくりを基本に、町長の思いでもある「美しいまちづくり」に取り組んでいる。大槌は、美しい海や豊かな湧水、祭りに色濃く残る歴史など、固有の地域性を持っている。こうした自然と歴史を生かして、生活と産業の再生を目指したいと考えている。人が愛着を持って長く住み続けようとする根本には、心に刻むことのできる風景が必要だと思うからである。