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技術トピックス

土木学会デザイン賞2016 奨励賞 受賞

 当社が計画・設計を行った「月浜第一水門」と「福島潟河川改修事業」が、土木学会デザイン賞2016にて奨励賞を受賞しました。

【弊社の受賞実績】

  • 土木学会デザイン賞2014 優秀賞「東京都野川における自然再生事業」
  • 土木学会デザイン賞2013 優秀賞「川内川激甚災害対策特別緊急事業(虎居地区及び推込分水路・曽木の滝分水路)」
  • 土木学会デザイン賞2010 最優秀賞「二ヶ領 宿河原堰」
  • 土木学会デザイン賞2009 最優秀賞「遠賀川 直方の水辺」

「水門デザインの新たな可能性」 —月浜第一水門設計—

 月浜第一水門は、周辺には選奨土木遺産である福地水門など歴史的名構造物群が点在する新北上川河口部において、当地独特の広大なヨシ原を代表とするのびやかで雄大な風景の中に建設された大規模水門です。
 これらの風景や周辺水門との調和を図るため、(1)朴訥としたフォルム:門柱を中空構造とすることで、煩雑な管理・付属施設を内部に納め、門柱のみが強調された直方体に近い形状とし、門柱のフォルムを徹底的に単純化(2)機能の表現:周辺にある選奨土木遺産水門群の特徴である素朴さ(=ゲート開閉メカニズムの可視化)を継承し、メカニズムの要である油圧シリンダーを明示的するデザインを実現(3)ディテール:維持管理用足場の折りたたみ式の採用や、門柱上転落防止柵の四隅のコンクリート壁化などディテールデザインにおいても素朴な直方体の印象を追求など、高度な技術的課題をクリアした挑戦的な造形デザインを実現しました。

(土木学会デザイン賞2016「月浜第一水門」のページ)

月浜第一水門全景

月浜第一水門全景

「既設公園と湖岸堤の一体設計」 —福島潟河川改修事業—

 本事業は、福島潟湖畔にある観光・交流施設「水の公園福島潟」(観光客数年間約30万人)の自然学習公園内での湖岸堤の整備です。そのため、築堤することによる公園利用者や観光への影響の抑制、公園の美観の維持、河川環境の整備・保全などが求められました。そこで、以下のような景観や環境への配慮などに取り組むことで、周辺環境とも調和した景観デザインを行いました。

(1)福島潟河川改修事業における環境保全対策の方針を実現する

  • 湖岸堤の整備は、福島潟内の掘削土を再利用するとともに、堤防の表面には現地で発生した土を用いることで、元々の自然植生の回復を図った。

(2)ビュー福島潟の利用と景観に調和するデザインとする

  • 堤防法線を既存計画から変更した。
  • 緩傾斜堤防とすることで、圧迫感の軽減を図り、公園の利用に配慮した。

(3)関係機関との協議により地元の意見・要望を取り入れる

  • 潟来亭の周辺空間の利用スペースを確保した。
  • 堤防を越えているという感覚を与えないデザインとした。
  • 福島潟から見える五頭連峰の風景を活用した。
  • キャンプ場にある高木を保全した。

(4)施工時に利用・環境に配慮する

  • 各種イベントの開催に配慮した。


(土木学会デザイン賞2016「福島潟河川改修事業」のページ)

「水の公園福島潟」に溶け込んだ湖岸堤

「水の公園福島潟」に溶け込んだ湖岸堤