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大学で水産学を学び、学部・大学院を通して藻類研究室に所属していました。研究テーマは、清らかな湧水などにしか生えない絶滅危惧種の淡水産紅藻。幼い頃から魚や水生生物に惹かれ、水族館で独自に観察を続けるほど、生き物への興味が尽きませんでした。就職活動では「川に強い会社で生き物に関われる仕事」を探し、河川環境の調査を行う当社に出会いました。説明会で社員の方々が誇りをもって語る姿に魅かれ、「この会社なら研究で培った知識を社会に生かせる」と感じて入社を決意しました。
現在は自然環境部に所属し、動植物の調査や保全対策の検討を担当しています。道路やダムの建設などの際、希少な動植物がどのような影響を受けるかを調査・評価し、開発と自然環境の両立を図っています。国交省が行う河川水辺の国勢調査にも携わり、一級河川の動植物を対象に長期的なモニタリングを実施しています。入社当初は川の生物を中心に扱うと思っていましたが、実際には森林や陸上の動植物など、自然全体を視野に入れる必要がありました。藻類や魚だけでなく、多様な命を扱う仕事に携われることが、自分の研究の延長線上に新しい発見をもたらしています。印象に残っているのは、東日本大震災後の復興道路プロジェクトです。被災地での道路建設において、イヌワシなどの猛禽類の生息地を守るための保全策を立案し、生態系を維持しながら事業を進めました。対象生物が引き続き生息していることを確認できた瞬間は、努力が実を結んだと感じた忘れられない出来事です。また、魚類や昆虫、鳥類、植物など分野を超えた知識が求められるため、先輩たちから現場で直接学ぶ機会も多くあります。罠の設置方法や繁殖期の見極めなど、マニュアルでは得られない経験を積み重ねてきました。現在はグループ長として、メンバーそれぞれの得意分野を生かしながら、互いに学び合うチームづくりを進めています。若手の意見やAI技術の導入も積極的に取り入れ、全員が時代の変化に対応できる環境を整えています。
個人としては、深層学習を活用した画像・音声の自動解析技術の習得を進め、より効率的で精度の高い環境調査を実現したいと考えています。グループとしては、分野を越えて知識を共有し、誰もが安心して意見を出し合える組織を築きたいと思います。
社会的には、開発と自然の共存を可能にする仕組みを整え、日本全体の生物多様性の把握や保全に貢献していくことが目標です。普段目にすることのない貴重な生き物たちと向き合いながら、自然と人が調和して暮らせる未来を支えていきたいと思います。
河川、ダム、道路などの環境調査業務を担当。猛禽類、鳥類、植物などの生息・生育調査を行い、河川環境の評価や開発事業に伴う影響評価を実施。また、重要種の保全対策の提案・実施も行っている。